🏢ビジネスマンの居場所戦略

上司に「何もできない」と言われた僕が、次の会社で4,000万のプロジェクトを任された話

2026-04-05

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転職自信がないキャリア実体験メンタル
自信の回復
自信の回復

「お前は何もできないな」

上司にそう言われた日のことを、今でも覚えている。

大手通信会社に中途で入った、30歳の僕に向けられた言葉だ。

あの日から僕は、自分のことを信じられなくなった。朝起きるのが怖くなった。会議に出るのが怖くなった。「本当に自分は何もできないんじゃないか」と、毎日思っていた。

でも、その2年後。

僕は次の会社で4,000万円のプロジェクトを任され、会員1万人を集め、購買2,000万円を生み出し、Xでトレンド入りを果たした。

変わったのは、能力じゃない。場所と、上司が変わっただけだ。

これは「すごい人の成功談」じゃない。自信を完全に失った人間が、どうやって立ち直ったかの話だ。

なぜ自信を失ったのか

僕が大手通信会社に入る前、ベンチャー2社で5年間働いていた。広告予算月2,000万円を回し、入社1ヶ月で大量の集客を実現し、「プロが来ると違うね」と言われていた。

仕事ができないわけがなかった。

でも大企業は、ベンチャーとは全く別の世界だった。

誰も教えてくれない

ベンチャーでは上に課長と社長しかいない。わからないことは隣の人に聞けばいい。

大手通信会社は違った。係長→課長→担当部長→部長→本部長→室長→役員。何層もの階層がある。Windows95時代に作ったような古いシステムを使いこなさないと仕事が回らない。

新卒は入社時に全部教えてもらえる。でも中途には教育がない。誰も教えてくれない。聞ける雰囲気でもない。

在宅勤務で完全に孤立した

コロナで在宅勤務が始まった。

ベンチャーなら同じフロアに全員いる。隣の席の人に「これどうやるの?」と聞ける。でも在宅になったら、それすらできなくなった。

わからないことが聞けない。仕事が回らない。評価が落ちる。さらに聞きづらくなる。負のスパイラルだった。

些細な失敗が自分を追い詰めた

ある日、会議を設定した。

ベンチャーでは同じフロアだから、会議室を取ればみんな来る。でも大手通信会社は、僕が37階、相手が45階にいる。

僕は自分のフロアの会議室を予約して、45階の相手を37階に呼んでしまった。大企業では「呼ぶ側が相手のフロアに行く」のがマナーだったらしい。

たったそれだけのこと。でも当時の僕は、「そんなこともできないのか」と自分が嫌になった。

今思えば、知らなかっただけだ。教えてもらっていないんだから、できなくて当たり前だ。でも渦中にいると、そうは思えない。

自分を責め続けた日々

毎日、自分を責めていた。

「なんで新卒にできることが自分にはできないんだ」 「ベンチャーで5年もやってきたのに、何も通用しない」 「やっぱり自分は大した人間じゃなかったんだ」

上司は「お前は何もできない」と平気で言う人だった。1回や2回じゃない。繰り返し言われた。

実は大手通信会社に入って最初の半年は、2億円のプロジェクションマッピングを一人で仕切っていた。東京都議会に条例の特例を掛け合い、JR・小田急・高島屋・消防署・警察署と調整した。コロナで中止になったが、やり切った自負はあった。

でもそんな実績があっても、在宅で孤立した途端、「何もできない奴」にされた。

自分の中から、自信が少しずつ消えていった。

逃げるように辞めた

1年半で辞めることにした。

辞める日、上司が言った。

「そんな仕事ぶりだと、次の会社でもうまくいかないんじゃないか」

この言葉が、一番きつかった。

次の会社はもう決まっていた。大手小売グループのDX本部だ。でもそれを正直に言えなかった。

「奈良に帰ります」

嘘をついた。

出身が奈良だから、帰りますと言えばそれ以上聞かれない。恥ずかしかったんだと思う。「何もできない奴」が大手に転職すると言ったら、笑われるんじゃないかと。

あの日の自分は、本当に惨めだった。

新しい環境で、意識的に変えたこと

大手小売グループに入社した。

自信はなかった。「次の会社でもうまくいかない」という上司の言葉が、ずっと頭にこびりついていた。

でも一つだけ決めたことがある。同じ失敗は繰り返さない。

大手通信会社で孤立した原因は明確だった。在宅で人とのつながりが切れたこと。だから、次の会社では逆のことをした。

大手通信会社での失敗大手小売グループで変えたこと
在宅勤務で孤立在宅OKでも毎日出社
上司との接点が少ない部長の近くの席に座る
聞けない→仕事が回らない対面で毎日コミュニケーション
誰にも顔を覚えてもらえない朝は誰よりも早く出勤

これは「頑張った」とかじゃない。怖かったからだ。また孤立するのが怖かった。また「何もできない」と言われるのが怖かった。

恐怖が、僕を動かした。

最初のプロジェクトは失敗した

入社後、DAM(デジタルアセットマネジメント)というプロジェクトを任された。グループ全社のEC商品情報を統一する仕事だ。

例えば、同じコカ・コーラでも「コカ・コーラ500mL」と「500コカ・コーラ」みたいに、事業会社ごとに名前がバラバラ。商品画像も各社が別々に撮影している。これを統一するプロジェクトだった。

2年半かけた。でも頓挫した。

一部の管理職がまったく協力しなかった。僕一人の力ではどうにもならなかった。

正直、心が折れかけた。「やっぱりダメなんだ」と思った。大手通信会社の上司の言葉が蘇った。

でも、一つだけ違うことがあった。

部長が僕を見捨てなかった。

毎日出社して、近くに座って、報告を続けた。プロジェクトは失敗しても、「こいつは信頼できる」という評価は積み上がっていた。

これが大手通信会社との決定的な違いだった。

4,000万円のプロジェクトを任された日

ある日、部長から言われた。

「メタバースで何かしろ」

何をやってもいい。ただし、会社の売上に繋がることが条件だ。

僕が目をつけたのはVTuberだった。

メタバースに親和性が高いのは誰かを分析した結果、VTuberファンだと確信した。ファンの間で「この2人が共演したら神」と話題になっていた2人を起用。事前に「誰が出るか」を少しずつ小出しにして期待を煽った。

設計はこうだ。

1. メタバース空間でVTuberの無料ライブを開催 2. ライブを見た人が店舗で2,000円購入すると、限定壁紙をプレゼント 3. VTuber好きはスマホの壁紙に推しを使う——その心理を突いた

予算4,000万円。会員獲得単価4,000円。会社のナンバー2まで直接プレゼンして承認を得た。

20人のチームを2ヶ月で組成。

結果はこうなった。

指標結果
会員登録1万人超
店舗購買2,000万円
SNSXでトレンド入り
チーム規模20人
実施期間2ヶ月

「お前は何もできない」と言われた人間が、ゼロから企画して4,000万円を動かし、成功させた。

あの日、結果を見た時の気持ちは忘れない。嬉しかったんじゃない。「ああ、あの上司は間違っていたんだ」と、やっと思えた。

変わったのは能力じゃない

大手通信会社の僕と、大手小売グループの僕。能力は同じだ。

違ったのはこれだけ。

大手通信会社大手小売グループ
上司「何もできない」と言う人信頼して任せてくれる人
教育中途への教育なし対面でコミュニケーションが取れる環境
働き方在宅で孤立毎日出社・部長の隣
評価何をやっても否定失敗しても信頼が積み上がる

同じ人間が、こんなにも違う結果を出す。

場所を変えるだけで、人はこんなに変わる。いや、変わるんじゃない。もともと持っていたものが、やっと出せるようになるだけだ。

「教えてもらえなかっただけ」という気づき

大手通信会社を辞めてから時間が経って、ようやく気づいたことがある。

僕は能力がなかったんじゃない。教えてもらえなかっただけだ。

新卒は入社時にシステムの使い方を教わる。会議室の取り方も、メールの書き方も、上司への報告の仕方も。全部、最初に教えてもらえる。

中途にはそれがない。「できて当然」とされる。でも会社が違えばルールは全部違う。知らないものは、できなくて当然だ。

あれは僕の能力の問題じゃなかった。会社のオンボーディングの問題だった。

この気づきに、辞めてから1年以上かかった。渦中にいる時は「自分が悪い」としか思えなかった。

自信を失っているあなたへ

最後に、少しだけ。

今、「自分は仕事ができない」と思っている人へ。

上司に否定されて、自分を責めている人へ。

転職したいけど、「どうせ次もダメなんじゃないか」と怖い人へ。

僕もそうだった。完全にそうだった。退職する時に嘘をつくくらい、自信を失っていた。

でも今なら言える。

それは、あなたの能力の問題じゃないかもしれない。

教えてもらえていないだけかもしれない。上司との相性が悪いだけかもしれない。環境が合っていないだけかもしれない。

僕は場所を変えた。そしたら、同じ自分のまま、4,000万のプロジェクトを成功させていた。大手保険会社への転職面接では、自信を持って自分の成果を語れるようになっていた。年収は大手通信会社時代から2倍近くになった。

あの上司の「次の会社でもうまくいかない」は、完全に間違いだった。

自信は、取り戻せる。

でもそのためには、今いる場所を疑う勇気がいる。「自分が悪い」と思い込むのをやめる勇気がいる。

怖いのはわかる。僕も怖かった。嘘をついて逃げたくらい、怖かった。

それでも、場所を変えた先に、僕の人生は確かにあった。

あなたの人生も、きっとそうだと思う。

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