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自己分析のやり方【社会人向け】就活との違いと実践フレームを解説

自己分析のやり方【社会人向け】就活との違いと実践フレームを解説

2026-06-10

6分で読めます

自己分析社会人

「自己分析をやり直したいけど、就活のときのやり方しか知らない」。転職を考え始めた社会人から、よくこの悩みを聞きます。実際、僕も1回目の転職のときは就活本を引っ張り出して自分史を書き始め、途中で「これ、何の意味があるんだっけ」と手が止まりました。

先に結論を言います。社会人の自己分析は、就活の自己分析とは目的がまったく別物です。就活で問われるのは「育てたら伸びそうか」というポテンシャル。一方、社会人に問われるのは「過去の実績をうちの会社でも再現できるか」という再現性です。だから、性格や価値観の深掘りから入るのではなく、実績の棚卸しから入るのが正解だと僕は考えています。

この記事では、就活と社会人の自己分析の違いを整理したうえで、Will-Can-Mustをはじめとするフレームの使い方と限界、そして実践の手順を解説します。

就活の自己分析と社会人の自己分析は何が違うのか

まず前提の違いを押さえておきましょう。同じ「自己分析」という言葉でも、証明したいものが違います。

観点就活(新卒)社会人(転職)
証明するものポテンシャル(伸びしろ)実績の再現性
材料学生時代の経験・性格・価値観職務経歴・成果・スキル
評価者の視点「育てたら活躍しそうか」「入社後すぐ成果を出せるか」
自分史の重要度高い(人柄を見られる)低め(補助的な材料)
起点内面(自分はどんな人間か)外面(自分は何をしてきたか)

新卒採用では実績がないので、企業は人柄や思考の癖からポテンシャルを推測するしかありません。だから「幼少期から振り返る自分史」のような内面深掘り型のワークが有効でした。

ところが社会人の転職では、企業が見たいのは過去の仕事ぶりです。僕は大手企業で採用面接官側も経験しましたが、面接で深掘りするのはほぼ一点、「その成果はあなたの力で出したものか、環境のおかげか」でした。つまり再現性の確認です。価値観の話が出るのは、その後のカルチャーフィット確認の段階になります。

ここを取り違えて、社会人になってからも「自分の本当にやりたいことは何か」という内面の旅から始めてしまうと、時間ばかりかかって職務経歴書が一行も進まない、ということになりがちです。

社会人の自己分析で使えるフレーム3つと、その限界

フレームは思考の補助輪です。便利な反面、それぞれに弱点があるので、限界込みで紹介します。

Will-Can-Must:方向性の整理に使う

最も有名なフレームではないでしょうか。3つの円で自分を整理します。

  • Will:やりたいこと、実現したい状態
  • Can:できること、実績で証明できるスキル
  • Must:やるべきこと、市場や会社から求められること

3つが重なる領域が「狙うべきキャリア」という考え方です。シンプルで強力ですが、限界もあります。社会人がやると、Willが空欄のまま止まる人が非常に多いんです。僕自身、20代の頃はWillと言われても「年収を上げたい」くらいしか出てきませんでした。

対処法はシンプルで、Canから埋めること。やりたいことが曖昧でも、できることと求められることが明確なら、転職活動は十分に成立します。Willは経験を積むうちに後から輪郭が出てくるもの、くらいに構えておくほうが健全だと思います。

モチベーショングラフ:「何に燃えるか」のパターン抽出に使う

横軸に社会人になってからの時間、縦軸にモチベーションを取り、浮き沈みを曲線で描くワークです。ポイントは曲線そのものではなく、山と谷の理由を言語化すること

僕の場合、グラフを描いてみると「裁量が小さい時期」に必ず谷が来ていました。逆に、新しい施策を任された時期は仕事が大変でも山。ここから「自分は裁量の大きさで動機づけられる人間だ」と分かり、会社選びの軸が一つ固まりました。

限界としては、これは志向の分析であって、スキルの証明には直結しないこと。面接で語る材料というより、企業選びの軸を作るための道具と捉えるのがいいでしょう。

STARフレーム:実績を「再現性のある形」に変換する

社会人の自己分析で僕が一番重視しているのがこれです。実績を次の4要素で構造化します。

  • S(Situation):どんな状況・課題だったか
  • T(Task):自分は何を任されたか
  • A(Action):自分は何を考え、何をしたか
  • R(Result):結果どうなったか(できれば数字で)

「売上を伸ばした」だけでは再現性は伝わりません。「どんな制約の中で、何を判断して、どう動いた結果なのか」まで分解して初めて、面接官は「この人はうちでも同じ動きができそうだ」と判断できます。面接官をやっていた立場から言うと、STARで整理されている候補者は話の解像度が段違いでした。

限界は、過去の延長線上の話しかできないこと。未経験職種への挑戦など、キャリアの方向転換を語るには、先のWillやモチベーショングラフと組み合わせる必要があります。

実践ステップ:実績→強み→方向性の順で進める

フレームを知っても、どの順番でやるかが分からないと動けません。僕がおすすめする手順は次の3ステップです。

ステップ1:実績をすべて書き出す(棚卸し)

まずは評価を気にせず、関わったプロジェクト・業務・成果を時系列で全部書き出します。「大した実績じゃない」というセルフ検閲は禁止。地味な業務改善ほど、他社から見ると価値があったりします。

具体的な書き出し方はキャリアの棚卸しのやり方で詳しく解説しているので、手を動かす際はそちらを参考にしてください。

ステップ2:実績をSTARで構造化し、共通項から強みを抽出する

書き出した実績のうち、手応えのあったもの5〜10個をSTARで分解します。そして横に並べて眺めると、Actionの部分に必ず共通パターンが見えてきます。「関係者を巻き込むのがうまい」「数字から課題を見つけるのが速い」といった共通項こそが、実績で裏付けられたあなたの強みです。

ステップ3:Will-Can-Mustで方向性に変換する

ステップ2で出てきた強みをCanに置き、求人市場で求められることをMustに、モチベーショングラフから見えた志向をWillに置いて、狙う方向を絞り込みます。Mustの部分、つまり「市場で何が求められているか」は一人では分かりにくいので、求人票を眺めたり、転職エージェントの使い方を押さえたうえでエージェント面談で市場感を聞いたりするのが近道です。

一人で行き詰まったときの選択肢

正直に言うと、自己分析は一人で完結させるのが難しい作業です。自分の強みは自分にとって「当たり前」すぎて、認識できないことが多いからです。

僕も転職のたびに、信頼できる元同僚に「俺の強みって何だと思う?」と聞いてきました。自分では普通だと思っていた動きを「それ、誰にでもできることじゃないよ」と指摘されて、職務経歴書の軸が決まったことが何度もあります。

身近に壁打ち相手がいない場合は、第三者を頼る手もあります。誰に相談すべきかの全体像はキャリア相談は誰にすべき?にまとめていますが、ざっくり言えば、転職前提で市場の話を聞きたいならエージェント、転職するかどうかも含めてフラットに整理したいならキャリアコーチングという棲み分けです。コーチングは業界相場で30〜70万円程度と安くはないものの、各社とも初回カウンセリングは無料なので、自己分析の壁打ちとして初回だけ使ってみる人もいます。本格的に検討するならキャリアコーチングの選び方も読んでみてください。

まとめ

社会人の自己分析のポイントを振り返ります。

  • 就活は「ポテンシャル証明」、社会人は「実績の再現性証明」。目的がそもそも違う
  • 内面の深掘りからではなく、実績の棚卸しから始める
  • フレームはWill-Can-Must(方向性)、モチベーショングラフ(志向)、STAR(実績の構造化)の3つで十分
  • Willが出てこなくても焦らない。Canから埋めれば転職活動は成立する
  • 強みは自分では見えにくい。元同僚や第三者の視点を借りるのが近道

自己分析は「やりたいこと探しの旅」ではなく、自分という商品の取扱説明書を作る実務作業です。完璧を目指さず、まずは実績を書き出すところから始めてみてください。

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デジタルマーケティング歴10年。5社の転職で年収3.5倍を実現。 「出世しなくても環境を変えるだけで年収は上がる」をテーマに発信中。