「光回線 おすすめ」で検索すると、比較表とキャッシュバックの金額が並んだページが延々と出てきます。10万円超えの数字を見せられて、かえって決められなくなった。そういう人向けの記事です。
先に結論を書きます。光回線は、使っているスマホのキャリアでほぼ決まる。理由はシンプルで、スマホとのセット割はスマホ1回線ごとに月1,100〜1,650円が永年で効くから。家族分を合計すると、一時金のキャッシュバックより金額が大きくなることが多いんです。
僕は以前、通信業界の中で仕事をしていた時期があります。この業界の料金表が読みにくいのは偶然ではなくて、割引の適用条件・オプションの必須要件・工事費の「実質無料」といった要素が層になって重なっているからなんですね。この記事では各社の公式サイトで料金と条件を横並びに拾い直し、判断の順番だけを残す形で整理しました。金額はすべて2026年8月時点・税込です。
まず結論|スマホ別の早見表
| 使っているスマホ | 第一候補 | セット割の効き方 |
|---|---|---|
| ドコモ(ドコモ MAX・eximo・irumo など) | ドコモ光 | スマホ1回線 1,100〜1,210円/月 |
| ahamo | ahamo光 | セット割なし。代わりに回線の月額が安い |
| au・UQモバイル | auひかり(提供エリア外なら BIGLOBE光などの光コラボ) | スマホ1回線 1,100円/月・ひかり電話が必須 |
| ソフトバンク・ワイモバイル | ソフトバンク光 または NURO光 | スマホ1回線 1,100〜1,650円/月・指定オプション必須 |
| 楽天モバイル | 楽天ひかり | 割引ではなく毎月1,000ポイント還元 |
| povo・LINEMO・格安SIM | セット割のない安い回線(GMOとくとくBB光など) | 対象外。月額の安さで選ぶ |
ここで9割は決まります。残りは「自分の住所と建物で使えるか」の確認だけ。マンションの場合は建物側の設備で選択肢が先に絞られるので、マンションの光回線の記事を先に読んだほうが早いと思います。
なぜスマホで決まるのか|セット割の金額感
セット割の内訳を、各社公式の条件で確認しておきます。
ドコモ光セット割は、ドコモ MAX・ドコモ ポイ活 MAX・ドコモ miniなどで月1,210円、eximo・irumo(0.5GBを除く)・ギガホ プレミアなどで月1,100円。対象は同一ファミリー割引グループ内で、三親等以内の家族なら最大20回線まで。離れて暮らす親も入れられます。逆にahamoとirumo 0.5GBは対象外。ここを見落として「ドコモだからドコモ光」と決めると、割引ゼロで月5,720円を払うことになります。
auスマートバリューは月1,100円(U18バリュープランは550円)で、ネット1回線につきau携帯最大10回線まで。ただし条件が「ネット+電話のセット」なので、auひかり電話(月770円)の契約が必須です。UQモバイルの自宅セット割(インターネットコース)も同様に月1,100円ですが、コミコミプランは対象外という線引きがあります。
おうち割 光セットはソフトバンクで月1,100円、ワイモバイルはシンプル3 S/M/Lとシンプル2 M/Lで月1,650円、シンプル2 Sで1,100円。こちらも光BBユニット+Wi-Fiマルチパック+光電話などの指定オプション(月550円〜)への加入が条件です。
楽天ひかりだけ毛色が違って、最強おうちプログラムは料金割引ではなく毎月1,000ポイントの還元(期間限定ポイント)。楽天経済圏にいるかどうかで価値が変わります。
つまり、こういう計算になります。
- ▸4人家族×1,100円=月4,400円、年52,800円
- ▸3人家族×1,650円(ワイモバイル)=月4,950円、年59,400円
- ▸必須オプション(550〜770円)を引いても、年間4〜5万円の水準は残る
キャッシュバックは一時金ですが、セット割は使い続ける限り毎年これが効きます。金額の桁が違うのはセット割のほうというのが、横並びで見たときの率直な感想です。
一方で1人暮らし・1回線なら、1,100円−550円(必須オプション)=実質550円。この規模なら、セット割を捨てて月額の安い回線を選んだほうが総額で勝つことも普通にあります。
月額比較表|戸建て・マンション
各社公式サイトで確認した月額です(2026年8月時点・税込)。
戸建て
| 回線 | 月額 | 契約期間 | セット割 |
|---|---|---|---|
| ドコモ光 1ギガ タイプA | 5,720円 | 2年(解約金5,500円) | ドコモ 1,100〜1,210円 |
| ahamo光 1ギガ | 4,950円 | 2年(解約金4,950円) | なし(ahamo契約が必須) |
| ソフトバンク光 1ギガ | 5,720円 | 2年(解約金=月額相当) | SB 1,100円/Y!mobile 最大1,650円 |
| auひかり ホーム1ギガ(ずっとギガ得) | 5,610円※1年目 | 3年(解約金4,730円) | au/UQ 1,100円(電話770円が別途必要) |
| NURO光 One 2ギガ | 5,500円 | 契約期間なしプランあり | SB/Y!mobile(NURO光でんわが必要) |
| 楽天ひかり ファミリー | 5,280円 | あり(解約金5,280円) | 毎月1,000ポイント |
| BIGLOBE光 1ギガ(3年) | 5,478円 | 3年 | au/UQ 1,100円 |
| GMOとくとくBB光 1ギガ | 5,390円 | 縛りなし・解約金なし | なし |
マンション
| 回線 | 月額 | 備考 |
|---|---|---|
| ドコモ光 1ギガ タイプA | 4,400円 | 解約金4,180円 |
| ahamo光 1ギガ | 3,630円 | ahamo契約が必須 |
| ソフトバンク光 1ギガ | 4,180円 | 2026年12月に改定予定(後述) |
| auひかり マンション タイプV | 4,180円(16契約以上)/4,510円(8契約以上) | 建物内の契約数で変動。解約金2,290円 |
| NURO光 2ギガ マンション(タイプS/L) | 3,850円 | 2026年9月に改定予定(後述) |
| NURO光 for マンション 2ギガ(3年) | 2,210円 | 建物に専用設備がある場合のみ |
| 楽天ひかり マンション | 4,180円 | 解約金4,180円 |
| BIGLOBE光 1ギガ(3年) | 4,378円 | au/UQセット割の対象 |
| GMOとくとくBB光 1ギガ | 4,290円 | 縛りなし |
表を作っていて気づいたことを2つ。
ひとつは、値上げが動いていること。NURO光は2026年9月1日から料金を改定し、NURO 光 One 2ギガ(戸建て)が5,500円→5,720円、マンションのタイプS/Lが3,850円→4,235円になります。ソフトバンク光も2026年12月1日から既存プランの月額を一律+330円(10ギガは対象外)。比較サイトの表は改定前の数字のまま残っていることがあるので、契約前には公式で確認してください。
もうひとつは、比較サイトの数字が割引適用後であることが多い点。たとえばGMOとくとくBB光を「戸建て4,818円/マンション3,773円」と載せている記事は多いのですが、公式の料金プランページの表記は5,390円/4,290円です。差額はキャンペーンやクーポンによる割引分。悪意があるというより、その窓口で申し込めば実際にその金額になるケースが多いのですが、条件が外れれば公式価格に戻るということは知っておいたほうがいいと思います。
なお、ドコモ光・ソフトバンク光・楽天ひかり・BIGLOBE光・GMOとくとくBB光はいずれもNTTの設備を借りて提供する「光コラボ」で、auひかりとNURO光は独自設備です。この違いは乗り換えのしやすさに直結するので、光コラボの仕組みの記事で別途整理しています。
セット割がない人の選び方
ahamo・povo・LINEMO・格安SIMを使っている人、あるいは1人暮らしで1回線だけの人は、判断軸が変わります。見るのは次の3つ。
1. 縛りと解約金があるか
2022年7月に施行された改正電気通信事業法施行規則で、期間拘束契約の違約金は1か月あたりの利用料金相当額が上限になりました。数万円の違約金という時代は終わっています。とはいえ数千円は数千円。転勤や引っ越しの可能性があるなら、GMOとくとくBB光のように契約期間の縛り自体がない回線が気楽です。
2. 工事費の残債
ここが一番の落とし穴かもしれません。各社の「工事費実質無料」は、ほぼすべてが分割払い+同額を毎月割引という仕組みです。auひかりのホームなら工事費48,950円を35回払い、NURO光は49,500円を24回払い、GMOとくとくBB光は36か月利用で実質無料。途中で解約すると、残っている分割分がそのまま請求されます。違約金より工事費残債のほうが高くつくことは珍しくありません。短期で動く予定があるなら、分割回数が短い(=残債が消えるのが早い)回線を選ぶという発想も要ります。
3. 事務手数料と初期費用
契約事務手数料はGMOとくとくBB光3,300円、ドコモ光・ソフトバンク光・ahamo光4,950円、楽天ひかりは新規880円・転用/事業者変更1,980円と幅があります。auひかりの登録料は2026年8月1日から3,300円→4,950円に上がりました。金額としては小さいものの、比較表には出てこないことが多い項目です。
ahamoユーザーについてだけ補足を。ahamo光は戸建て4,950円・マンション3,630円と、ドコモ光より770円ほど安く設定されています。セット割はありませんが、月額の安さで先に引かれている形。ahamoのまま光回線を引くなら有力な選択肢です。スマホ側の料金設計そのものを見直したい人はスマホ代が高くなる理由の記事もどうぞ。
キャッシュバックの見方
高額キャッシュバックを出しているのは、多くの場合、事業者ではなく申込窓口(代理店やプロバイダ)です。窓口は成約1件ごとに事業者からインセンティブを受け取っていて、その一部を還元している。だから窓口によって金額が違うし、条件も違う。仕組みとしてはそれだけの話です。
問題は、還元原資が「長く使い続けてくれる人」を前提に設計されている点。だから受け取りのタイミングが後ろにずれ、手続きが必要になります。よくある設計はこんな形。
- ▸開通から11〜12か月後に、申込時のメールアドレス宛に案内が1通だけ届く
- ▸そこから期限内(数十日)に振込口座を登録しないと失効
- ▸有料オプションの同時加入・一定期間の継続が条件
- ▸分割受け取り(例:11か月目・17か月目・23か月目)
これは「罠」というより、還元と解約リスクのバランスを取った結果そうなっている、というのが実態に近いと思います。ただ、受け取れなければ0円なのは事実。だから見るべきは金額ではなく、いつ・どんな手続きで・何を維持していればもらえるかの3点です。
そのうえで、比較は実質年額でやるのがおすすめ。
実質年額 =(月額×利用予定月数 + 事務手数料 + 工事費実負担 − キャッシュバック − 各種特典)÷ 利用年数
キャッシュバックを2年で割れば、10万円でも月4,100円程度の効果。セット割4回線分(月4,400円)と同じくらい、と考えると距離感がつかみやすいはずです。しかもセット割は3年目以降も続きます。
開通までの期間と工事の注意
申し込んでから使えるようになるまでの期間は、経路によって大きく違います。
光コラボ間の乗り換え(事業者変更)・フレッツ光からの切り替え(転用)は、原則として工事不要。NTTの設備をそのまま使うので、ネットが使えない空白期間も発生しないのが普通です。手続きは事業者変更承諾番号を取って申し込むだけ。
新規で光コラボを引く場合は、宅内工事が必要になります。繁忙期(引っ越しシーズンの2〜4月)は2〜3か月待ちになることもあります。
NURO光は工事が2回あります。1回目が宅内工事(光キャビネットとONUの設置)、2回目が屋外工事(電柱から宅内へ)。1回目が終わらないと2回目のスケジュールが組めない構造なので、公式の案内でも開通の目安は戸建てで1〜2か月、マンションで1〜3か月とされています。オプション料金(8,800円)で2回を1日にまとめる方法も用意されていますが、そういうオプションが存在すること自体が、待たされる人が多い証拠でしょうね。
引っ越しに合わせて申し込むなら、実務的にはこの順番が安全です。
1. 入居日が確定したら、まず提供エリア判定(住所単位。同じ市内でも可否が分かれます) 2. 賃貸なら管理会社に工事の可否を確認し、記録の残る形で承諾を取る 3. 開通が入居日に間に合わないなら、つなぎとしてモバイルルーターやテザリングを用意しておく 4. 現在の回線の解約は、新回線が開通してから。先に解約すると空白期間が生まれます
まとめ
- ▸光回線は使っているスマホのキャリアでほぼ決まる。まずそこから絞る
- ▸セット割はスマホ1回線あたり月1,100〜1,650円。家族分を合計すると年4〜5万円規模で、一時金より効くことが多い
- ▸ただしau系・ソフトバンク系はひかり電話や指定オプションが必須。実質の割引額は550〜770円ほど目減りする
- ▸ahamo・povo・LINEMO・格安SIMはセット割の対象外。月額の安さ・縛りの有無・工事費残債で選ぶ
- ▸キャッシュバックは金額より受取条件。比較は実質年額で
- ▸NURO光は2026年9月、ソフトバンク光は同年12月に料金改定が予定されている
料金も割引条件もキャンペーンも、驚くほどよく変わります。この記事の数字は2026年8月時点で各社公式サイトから拾ったものですが、申し込む前には必ず公式で最新の金額と適用条件を確認してください。特に、割引の必須オプションとキャッシュバックの受取手続きの2点。この2つを申込前に自分の言葉で説明できるなら、その契約はたぶん失敗しません。
