「freeeって評判いいの?確定申告これでできる?」。副業を始めて最初の確定申告が見えてきた頃、たいていの人がこの検索をします。そして出てくるのは「最高に簡単」という声と「簿記が分かる人には使いにくい」という声の両方。どっちを信じればいいのか、正直迷いますよね。
僕は副業収入があって毎年確定申告をしている会社員です。この記事では、SNSやレビューサイトで公開されている口コミ・評判を、確定申告経験者の目で整理しました。先に結論を言うと、freeeの評判が割れるのには明確な構造的理由があります。初心者と簿記経験者で、見えている景色がまったく違うんです。そこが分かれば、自分に向くかどうかはほぼ判断できます。
なお、会計ソフト全体の選び方から考えたい方は、先に会計ソフトの選び方ガイドを読んでもらうと全体像がつかみやすいはずです。
freeeの設計思想|簿記知識ゼロを前提にした「取引」ベース
評判を読み解く前に、freeeというソフトの設計思想を押さえておきましょう。ここを知らないと、口コミの意味が半分も分かりません。
従来の会計ソフトは「仕訳」を入力するのが基本です。借方に消耗品費、貸方に普通預金、というあれですね。簿記を学んだ人には自然でも、未経験者には完全に外国語です。
freeeはこの前提をひっくり返しました。ユーザーが入力するのは仕訳ではなく「取引」。「お金が入ったか出たか」「相手は誰か」「何の代金か」を選ぶだけで、複式簿記の仕訳は裏側で自動的に作られます。簿記の知識ゼロでも青色申告に必要な帳簿が出来上がる、という建て付けです。
つまりfreeeは「簿記を知らない人が、簿記を学ばずに確定申告を終える」ことに最適化されたソフト。この一点を押さえると、良い評判も悪い評判もきれいに説明がつきます。
良い評判の傾向|「挫折せずに申告まで終わった」が最多
公開されている口コミで、ポジティブな評価はおおむね3つの系統に集約されます。
初心者の挫折率が低い
最も多いのが「簿記が分からない状態から、確定申告の提出まで完了できた」という趣旨の声です。確定申告書の作成画面が「○×形式の質問に答えていく」スタイルになっていて、何をすればいいか迷子になりにくい。会計ソフトは導入しても挫折する人が一定数いるジャンルなので、「最後までたどり着けた」という報告が多いのは大きな強みだと感じます。
僕自身、毎年申告していて思うのですが、確定申告の最大の敵は難しさよりも「何から手をつければいいか分からない」という心理的ハードルです。freeeの口コミは、まさにそこが評価されている印象でした。
スマホでかなりの作業が完結する
レシートをスマホで撮影して経費登録、銀行口座やクレジットカードの明細を自動取得、申告書の作成までアプリで進められる。「移動時間に経理が終わる」系の口コミは安定して多いです。スマホからのe-Tax提出に対応している点を挙げる声も目立ちました。マイナンバーカードを読み取って、申告書の作成から提出までスマホひとつで終えたという報告は、ここ数年の口コミで明らかに増えています。
副業会社員のように「平日夜と週末しか時間がない」人ほど、ここの恩恵は大きいでしょう。確定申告のためにパソコンの前にまとまった時間を確保する、というハードル自体をなくせるのは、経験者として素直にうらやましい進化です。
開業届などの周辺ツールが無料で使える
freeeには開業届を質問形式で作成できる無料サービスがあり、「開業届はfreeeで作った」という声が目立ちます。会計ソフト本体の評判とは別軸ですが、開業から申告まで一気通貫で面倒を見てくれる体験が、初心者からの支持につながっているようです。
悪い評判の傾向|簿記経験者ほど戸惑う
一方で、ネガティブな口コミにもはっきりした傾向があります。
簿記経験者・他ソフト経験者には独特すぎる
最大の不満点がこれです。「仕訳を切っている感覚がない」「借方・貸方で考えたいのに画面が独自用語で気持ち悪い」という趣旨の声は、簿記資格を持つ人や他の会計ソフトからの乗り換え組に集中しています。税理士など専門家からも「freeeは独特」という指摘が見られました。
これは欠陥というより、前述の設計思想の裏返しです。簿記の概念を隠すことで初心者を救っている分、簿記で考えたい人には回りくどく映る。同じ仕様が、立場によって長所にも短所にもなっているわけです。
料金がやや高め、無料では使い続けられない
執筆時点(2026年6月)の個人事業主向けプランは、税抜で次のとおりです。
| プラン | 料金(税抜・年払い) | 主な特徴 |
|---|---|---|
| スターター | 11,760円/年(月あたり980円) | 白色申告向け。消費税申告には非対応 |
| スタンダード | 23,760円/年(月あたり1,980円) | 青色申告・消費税申告(インボイス対応)、優先サポート |
| プレミアム | 39,800円/年(年払いのみ) | 電話サポート、税務調査サポート補償など |
「買い切りソフトと違って毎年かかる」「他社より少し高い」という不満は一定数あります。実際、競合のマネーフォワードと比べると同等機能帯ではfreeeのほうがやや高め。ただし青色申告特別控除で最大65万円の控除を取れることを考えると、年2万円台の投資は回収しやすい、という見方の口コミもありました。料金プランは改定されることがあるので、最新の金額と機能の対応は必ず公式サイトで確認してください。
サポートはプランによって差がある
「チャットの返信が遅かった」「電話サポートは上位プランのみ」という声もちらほら。繁忙期(2〜3月)は問い合わせが集中するため、サポート品質の体感はタイミングにも左右されるようです。手厚いサポートを前提にするなら、プラン選びの段階で考慮しておきたいポイントです。
ひとつ補足すると、サポートに不満を書いている口コミの中身をよく読むと、「操作方法」ではなく「これは経費になるか」といった税務判断の質問だったケースも混ざっています。ソフトのサポートは操作の案内はしてくれますが、税務相談には答えられません。そこは税務署や税理士の領分です。期待値を切り分けておくと、不要なストレスを避けられます。
口コミを読むときの注意点
ひとつ、評判を調べる側として意識しておきたいことがあります。freeeの口コミは投稿者の簿記レベルが書かれていないことが多く、同じ「使いにくい」でも初心者の操作迷子と経験者の思想的な不満ではまったく意味が違います。レビューを読むときは、星の数より「書いた人が自分と同じタイプか」を見る。これだけで情報の精度がかなり上がります。本記事で良い評判・悪い評判を「誰が言っているか」で分類したのも、その理由からです。
freeeが向く人・向かない人
口コミの傾向を整理すると、判断基準はシンプルです。
向いているのは、こんな人。
- ▸簿記の知識がなく、これから学ぶ気もあまりない
- ▸初めての確定申告で、とにかく挫折せず終わらせたい
- ▸スマホ中心で経理を済ませたい
- ▸開業届の作成からまとめて面倒を見てほしい
向いていない可能性が高いのは、こんな人。
- ▸簿記資格があり、仕訳ベースで入力するほうが速い
- ▸他の会計ソフトの操作に慣れていて、乗り換えコストを払いたくない
- ▸将来税理士に記帳を依頼する予定で、税理士側の使い慣れたソフトに合わせたい
簿記が分かる人や連携重視の人には、マネーフォワードのほうが合うケースが多いです。両者の評判の違いはマネーフォワード クラウド確定申告の評判と、機能・料金の直接比較はfreeeとマネーフォワードの比較記事でそれぞれ詳しく書いています。
無料体験で確認すべき3つのポイント
評判はあくまで他人の感想です。最終判断は無料体験で自分の手を動かしてから。その際、見るべきは次の3点だと思います。
1. 自分の銀行・カードが連携できるか。メインで使う口座が同期できないと、自動化のメリットが半減します。 2. 自動仕訳の推測精度。実際の明細を取り込んで、勘定科目の推測がどれくらい当たるか確かめる。修正だらけなら手間は減りません。 3. 画面の言葉がしっくりくるか。freee独自の用語体系(取引・口座など)に違和感がないか。ここが合わない人は長く使えません。
副業の確定申告そのものの流れは副業の確定申告ガイドにまとめてあるので、ソフト選びと並行して読んでみてください。
まとめ
公開されている評判を整理すると、freeeは「簿記知識ゼロの初心者が確定申告を完走するためのソフト」として高く評価され、「簿記で考えたい経験者」からは独特さを指摘される、という明確な構図でした。
- ▸良い評判:初心者でも挫折しにくい、スマホ完結、開業届などの無料ツール
- ▸悪い評判:簿記経験者には独特、料金がやや高め、サポートはプラン差あり
- ▸評判が割れる根本原因は「簿記を隠す」設計思想。自分がどちら側かで判断する
最後に大事な注意を。会計ソフトはあくまで計算と帳簿作成の道具で、経費にできるかどうかといった個別の税務判断は、税務署や税理士に確認するのが原則です。ソフトの評判と税務の正しさは別の話として、慎重に進めてください。迷ったら会計ソフトの選び方ガイドに戻って、自分の条件から絞り込むのがおすすめです。
