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ブログ収入の確定申告はいくらから?20万円ルールと経費の範囲を整理

ブログ収入の確定申告はいくらから?20万円ルールと経費の範囲を整理

2026-08-05

9分で読めます

副業ブログ確定申告雑所得経費

ブログのASP管理画面に、初めてまとまった金額が並んだとき。嬉しさと同時に「これ、確定申告いるやつでは……」という不安がよぎった人は多いと思います。僕も会社員をしながらブログを書いていて、この論点は毎年きちんと調べ直すようにしています。

先に結論を書いておきます。給与を1か所から受けて年末調整を受けている会社員なら、ブログを含む給与・退職所得以外の所得の合計が年間20万円を超えたら所得税の確定申告が必要です。そして20万円以下でも、住民税の申告は別途必要になります。ここを「20万円以下なら何もしなくていい」と読み違えている解説がかなり多いので、順番に整理していきます。

なお税金はYMYL領域で、個々の事情によって結論が変わる分野です。この記事は2026年8月時点の国税庁の公表情報を確認したうえでの一般的な整理なので、最終的な判断は税務署または税理士に確認してください。

結論|会社員は「所得」20万円超で確定申告、20万円以下でも住民税の申告

国税庁が示している給与所得者の確定申告要件のうち、副業ブロガーに関係するのはこのあたりです。

  • 給与1か所から受け、給与・退職所得以外の各種所得の合計額が20万円を超える
  • 給与を2か所以上から受けていて、年末調整されなかった給与収入と他の所得の合計が20万円を超える人
  • 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人(この場合は20万円以下でも申告が必要)

一方、ブログ一本で生計を立てていて給与がない人は20万円ルールの対象外で、基礎控除などの所得控除を差し引いて課税所得が残るかどうかが分岐になります。よく「48万円まで」と書かれていますが、基礎控除は令和7年度税制改正で一律58万円に引き上げられ、令和7年・8年分は合計所得金額に応じた上乗せ措置もあります。古い数字のまま説明している記事が残っているので、そこは注意したいところ。

ケース所得税の確定申告住民税の申告
ブログ所得が20万円超必要確定申告で連携されるため不要
ブログ所得が20万円以下原則不要必要
20万円以下+医療費控除等で申告するブログ所得も含めて申告確定申告で連携されるため不要

所得=収入−経費|「いつの収入か」も意外と落とし穴

判定に使うのは収入ではなく所得、つまり収入から必要経費を引いた金額です。ASPの確定報酬が26万円でも、サーバー代・ドメイン代・書籍代などで7万円かかっていれば所得は19万円。この場合、所得税の確定申告は不要になります(住民税の申告は必要です)。

意外と見落とされるのが計上のタイミング。原則は権利確定主義で、アフィリエイト報酬なら「発生」した時点ではなく、ASPで成果が承認され金額が確定した時点でその年の収入に計上するのが基本です。12月に承認され、翌年1月に振り込まれた報酬は、原則として12月分の年の収入になります。

ただし例外があって、業務に係る雑所得で前々年分の収入金額が300万円以下なら、現金主義の特例を選んで入金ベースで計算することもできます(確定申告書にその旨の記載が必要)。副業ブロガーの多くはこの範囲に入るはずなので、どちらで計算するかを決めて毎年ぶらさないようにしてください。

20万円ルールの3つの落とし穴

1つ目、住民税には20万円ルールが存在しません。 地方税法に「20万円以下は申告不要」という規定はないので、所得税の確定申告をしないなら市区町村への住民税申告が要ります。確定申告をすればその情報が市区町村へ連携されるため住民税申告は不要になる、という関係です。「申告不要=放置していい」ではない。

2つ目、副業を合算して判定します。 ブログ所得が15万円でも、クラウドソーシングで8万円あれば合計23万円で申告対象。ブログ単体で見ないでください。

3つ目、確定申告をするなら全部載せる。 ふるさと納税でワンストップ特例を使わない、医療費控除を受ける、といった理由で確定申告をする場合は、20万円以下のブログ所得も申告書に含める必要があります。「控除の申告だけして副業分は省く」という選択はできません。

住民税の納付方法をどうするかは、会社に知られるかどうかの話と直結します。そちらは副業ブログは会社にばれる?で普通徴収の手順まで整理しているので、あわせて読んでみてください。

雑所得か事業所得か|2022年の通達改正で判断軸が変わった

ここは競合記事の説明がかなり古いままになっている部分です。「年間売上300万円を超えたら事業所得」という書き方をよく見かけますが、それは2022年8月に出たパブリックコメント段階の案で、最終的な通達改正では採用されていません

2022年10月に改正された所得税基本通達35-2では、事業所得と業務に係る雑所得の判定は「その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうか」で行うとされました。そのうえで、「その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合(収入金額が300万円を超え、かつ事業所得と認められる事実がある場合を除く)には、業務に係る雑所得に該当する」と整理されています。

ざっくり言えば、きちんと記帳して帳簿を保存していれば概ね事業所得、していなければ雑所得という方向。金額の大小より帳簿の有無が前面に出た形です。ただし帳簿があれば必ず事業所得になるわけではなく、収入金額が僅少なケースや、営利性が認められないケース(例年赤字で改善の取組もない、など)は個別に判断されるとされています。始めたばかりで収益がほぼ立っていない段階なら、雑所得からスタートするのが素直だと思います。

業務に係る雑所得でも義務は発生します。 前々年分の収入金額が300万円を超えると現金預金取引等関係書類の保存(5年)が必要になり、1,000万円を超えると確定申告書に収支内訳書の添付が必要です。ここを「300万円超で収支内訳書」と書いている記事が散見されるので、金額基準は取り違えないように。

事業所得として青色申告ができれば、複式簿記+貸借対照表の添付+期限内申告で55万円、さらにe-Taxまたは優良な電子帳簿保存で65万円の青色申告特別控除が使えます。簡易な記帳なら10万円。純損失を翌年以後3年間繰り越せる点も大きい。ただし青色申告は事業所得等が前提で、雑所得では使えません。承認申請は原則としてその年の3月15日まで、1月16日以後に開業した場合は開業日から2か月以内なので、思い立った年から使いたいなら期限に注意です。

ブログで経費にできるもの一覧と家事按分

必要経費は「総収入金額を得るために直接要した費用」と「その年に生じた業務上の費用」。ブログ運営だと、このあたりが典型です。

  • レンタルサーバー代、独自ドメイン代、SSL関連費用
  • 有料WordPressテーマ、プラグイン、画像素材の購入費
  • ラッコキーワードやキーワード調査ツールなどの月額利用料
  • 取材・撮影の交通費、レビュー用に購入した商材の代金
  • 参考書籍、セミナー受講費、外注ライターへの支払い
  • ASPからの振込手数料、有料ASP関連の各種手数料
  • パソコンやカメラ(金額によっては一括計上ではなく減価償却)

問題はプライベートと兼用しているもの。自宅の通信費、電気代、家賃などは家事関連費にあたり、国税庁の整理では「業務の遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合の、その区分できる金額に限られる」とされています。つまり「なんとなく5割」ではなく、根拠のある区分が求められる。作業時間の記録や使用面積など、按分の理由を説明できる形で残しておくのが安全です。逆に、ブログのために確かに使った支出を拾い漏らすと、払わなくていい税金を払うことになります。

記帳をどうするか|会計ソフトの使い所

雑所得でも事業所得でも、結局は「収入と経費を記録して残す」作業からは逃げられません。経験上、年明けに1年分をまとめてやろうとすると必ず破綻します。サーバー代の領収書メール、ASPの支払調書、レビュー品のレシート——3か月も経てば行方が分からなくなる。

規模が小さいうちはスプレッドシートでも回りますが、次のどれかに当てはまるなら会計ソフトを検討していいと思います。

  • 事業所得で青色申告を狙う(複式簿記と貸借対照表が必須なので、手作業はきつい)
  • ASPが複数あって入金の突合が面倒になってきた
  • 電子取引データの保存要件をきちんと満たしておきたい

選び方の軸は会計ソフトおすすめ比較に、freeeとマネーフォワードの違いはfreeeとマネーフォワードの比較にまとめてあります。申告手続きそのものの流れは副業会社員の確定申告のやり方が詳しいので、実際に申告する段になったらそちらを。

申告しないとどうなるか|無申告加算税と延滞税

言うまでもないことですが、申告義務があるのに申告しない、という選択肢はありません。単純に損をします。

無申告加算税は、期限後に申告した場合に本来の税額に上乗せされるペナルティです。令和5年分以降のルールでは、税務調査の通知を受ける前に自主的に期限後申告をすれば5%。調査の通知後・調査前だと50万円までの部分が10%、50万円超300万円以下が15%、300万円超が25%。調査を受けた後だとそれぞれ15%・20%・30%まで上がります。なお、法定申告期限から1か月以内に自主的に申告し、税額を期限内に納付しているなど一定の要件を満たす場合は課されません。

延滞税は納付が遅れた期間に対する利息にあたるもので、納期限の翌日から2か月を経過する日までと、それ以後で割合が変わります。2026年(令和8年)に適用される割合は、2か月までが年2.8%、それ以後が年9.1%です(毎年見直されます)。

無申告のまま放置すると、遡って課税されるうえに加算税と延滞税が積み上がります。もし過去分の申告漏れに気づいたなら、調査を待つのではなく自主的に期限後申告をするほうが負担は軽い。金額が大きい場合や年をまたぐ場合は、早めに税務署か税理士に相談してください。

よくある質問

Q. ASPの報酬が未入金でも申告に含めますか? 原則は権利確定主義なので、成果が承認されて金額が確定した時点の年の収入に含めます。12月確定・翌年1月入金なら、原則として12月の年の分。前々年の収入金額が300万円以下で現金主義の特例を選ぶ場合は入金ベースになります。どちらを採るかは毎年一貫させてください。

Q. Googleアドセンスの収益も同じ扱いですか? はい、広告収入という点で同じです。アドセンスとASPを両方やっているなら合算してブログ全体の収入として集計します。所得区分の判定も、ブログ事業全体として見るのが自然な整理になります。

Q. 赤字の年も申告したほうがいいですか? 事業所得で青色申告をしているなら、赤字を給与所得と損益通算でき、控除しきれない純損失は翌年以後3年間繰り越せます。申告する実益は大きい。一方、業務に係る雑所得の赤字は給与所得と損益通算できないため、その点のメリットはありません。区分によって扱いがまるで違うところです。

Q. 開業届は出したほうがいいですか? 開業届の提出自体が所得区分を決めるわけではなく、判定はあくまで活動の実態と帳簿の有無です。ただし青色申告の承認申請とセットで手続きするのが一般的で、事業として本格的にやっていくなら出しておく意味はあります。提出により失業給付の受給などに影響が出るケースもあるので、状況によっては先に確認を。

まとめ

ブログ収入の確定申告について、押さえるべき点を並べ直します。

  • 会社員は年間所得20万円超で所得税の確定申告が必要。判定は収入ではなく収入−経費
  • 20万円以下でも住民税の申告は別途必要。所得税と住民税は別のルール
  • 雑所得か事業所得かは、2022年の通達改正で帳簿書類の記帳・保存の有無が大きな軸に
  • 業務に係る雑所得でも、前々年収入300万円超で書類保存義務、1,000万円超で収支内訳書の添付
  • サーバー・ドメイン・テーマ代などは経費。家事関連費は根拠のある区分が必要
  • 無申告は無申告加算税と延滞税で確実に高くつく。気づいたら自主的に期限後申告を

正直なところ、初年度は制度を調べる時間のほうが記帳より長くかかります。でも一度型を作ってしまえば、翌年からは月イチの記録と年明けの集計で回るようになる。ブログを続ける前提なら、収益が小さいうちに記帳の習慣だけ作っておくのがいちばん楽だと思います。個別の判断で迷ったら、税務署の相談窓口は無料で使えるので遠慮なく頼ってください。

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